宮城守男の「紅型」道 ～守紅(ＭＯＲＩＢＩＮ) ～

「隈どり」が終わったら、次は「蒸し」です。

でっかい犬小屋みたいで、かわいい蒸し機。
でも、なかなか恐ろしい蒸気を吐き出す、
すごいやつです。
いつもその蒸気パワーにちょっとビビリながら
操作しています。

この箱の中で蒸すことによって、生地目の奥まで顔料を定着させます。
生地や、仕事の内容によって、蒸し時間を調整。
今回は顔料定着のため、１００℃の蒸し機にて
約３０分程度蒸しました。

僕は蒸しが好きです。
なぜなら、糊(モチ粉とぬかでできている)を蒸すと、お餅のにおいがするから。
いつか、本物のムーチー(餅)も一緒に入れたいな~とたくらんでおります。

ちなみに、夏の暑い日に、蒸し機を使っていると、
顔がテカテカします。
(蒸気のせい？顔油のせい？誰のせい？)

蒸し終わると、「水元」です。
蒸した帯を、たっぷりの水に浸けます。
水に数十分浸けていると、
糊がふやけて自然にはがれてきて、
美しい柄がくっきりと生まれてきます。


水の中で揺れる紅型は、また格別に美しい。
写真ではわかりづらいですが・・・
作り手のみが見られる「美」です。(オーバー？)


糊や不純物をキレイに落としたら、
ケタ(張り木)にはり、水を切り乾燥させます。

最近は日が長いので、結構遅くまで外で作業ができます。
夕方散歩中の犬を見ながらの作業はなかなかいい。
勝手に名前をつけて、横目で追いかけるのが、水元時の楽しみです。
(犬同士、よくワンワンいってます。)

今回はココまで。
次回は、「再び型置き」です。